「じゃあさっそく始めるね。
僕は店長の風間です、よろしく」

「矢沢莉子です。よろしくお願いします」

「うちとしては、できれば11時から夕方くらいまで働ける人が欲しいんだ。
でも矢沢さん、まだ高校生だよね?」

「………」

「あれ? 違った?」

「高校は……やめました」

「そう。じゃあ、この紙に住所とか記入くれるかな」

「えっ……」
 

住所? どうしよう。


まさかサヨさんの住所を書くわけにもいかないし、自分の家は遠すぎて明らかにあやしい。
 

青い顔をして黙り込んでいると、店長さんは訝しげな表情になった。


「何か、わけがありそうだね」

「………」