だけどもう離れられない。 健吾のそばじゃなきゃ嫌だ。 その気持ちだけで、あたしは今ここにいる。 「うん。大好き……健吾」 涙声でつぶやくと、健吾はもう一度あたしの体を抱きよせた。 この温もりは、あたしを強くしてくれる。 そして時々、弱くさせるんだ。 健吾に出会って、孤独に気づいた。 健吾に出会って、愛しさを知った。 あたしたちが今まで寂しさを抱えて生きてきたのは こうして出会い お互いを満たすため。 ……きっとそうだよね。