ベッドに座らされ、健吾もその横に座った。
「このままホテル暮らしってわけにも、いかねぇからな。
とりあえずお前を泊めてくれそうな知り合いがいないか、アキに相談してたんだよ。居場所を伝えたのは念のためだ」
……そうだったんだ。
なのに早とちりして、少しでも健吾を疑った自分が情けない。
「ごめん……」
「いや。なかなか可愛かったから許す」
健吾はちょっと意地悪っぽく笑った。
「何が?」
「健吾と離れたくない! ってやつ。グッときたな」
「……からかわないでよ」
「からかってねぇよ。俺も同じ気持ちなんだから」
優しい声で言われ、胸がキュンとなった。
でもさっき感じた不安は、まだ心に残ったままで……。
さっきのはあたしの早とちりだったけど、ふたりの状況が不安定なことには変わりないんだ。



