ビクッと体を震わせるあたし。
初めてのその行為に緊張していると、ふいに優しく抱きしめられた。
健吾の想いが、あたしの中へと流れ込んでくるような気がした。
「やべぇな、俺」
唇を離して、健吾は笑う。
「お前のこと、相当好きみたいだ。ずっと離したくないって思っちまう」
あたしも火照った顔で笑った。
離してほしくなんかないよ。
もうこのまま離れたくない。
「莉子……ずっと一緒にいような。お前には、俺がいるから」
「うん……」
その言葉はまるで、未来へと続く約束のようで。
あたしはまた、涙があふれて止まらなくなった。



