渡り廊下で隣の校舎に移動し、階段をのぼりきると、急に空気が変わった。
ついに、3年生のエリア。
あたしと真由ちゃんは同時につばを飲み込んだ。
「やばい。ドキドキする」
あたしたちは廊下の端っこで固まり、こそこそと様子をうかがった。
1年生とは明らかに違う、骨格が出来上がった体つきの男の先輩たち。
女の人もちらほら廊下に出ているけど、やっぱり垢ぬけていて大人っぽい。
たった2歳の違いなのに。こないだまで中学生だったあたしたちとは、何もかもが違うんだ。
「あっ、あれ月島先輩じゃない?」
真由ちゃんが小声で言いながら遠くを指さした。



