LOVE and DAYS…瞬きのように


「け、健吾?
 ……きゃあっ!」


突然、あたしの首筋に顔を埋めるように、ぎゅっと抱きしめてくる健吾。

温かい息がうなじにかかり、くすぐったさと驚きで声を上げる。


「ちょっと、何なの!? 
さっきから変――

……健吾?」
 

様子がおかしなことに気づき、あたしは暴れるのをやめた。


「あ、悪い。嫌だったか?」
 

健吾は我に返ったように、パッと腕を離す。


「別に……嫌じゃないけど。
でもなんだか、ちょっと変だよ」
 


まるで甘えん坊の子どもみたい。

こんな健吾、初めて見た気がする。


あたしはまだドキドキしている心臓を落ち着かせるため、小さく深呼吸した。
 

健吾は少し苦笑いして、またあたしの頬に触れてきた。



「お前がこの部屋にいるんだと思うと、なんか夢みてぇなんだ。
嬉しい半面、いなくなることを考えたら、ちょっと怖い」


「………」


「ひとりは慣れてるはずなのに、おかしいよな」
 

あたしはなぜか泣きたい気分になりながら、ブンブンと首を横に振った。