「あ、でもあの4人組の男たちは?
健吾に恨みを持ってたんでしょ?
簡単に引き下がってくれるとは思えないんだけど」
「ああ、あっちは完全に解決した」
ケロッと答える健吾。
そういえばあたしたちが別れた翌日、健吾の顔に殴られた跡があったことを、あたしは思い出した。
「もしかしてそれって、ケンカで解決したとか……?」
嫌な想像に顔をひきつらせながら尋ねる。
「違ぇよ。そりゃまあ多少の脅しはかけたけど。
一発も殴ってねぇのはマジだから、安心しろ」
「でも健吾、ケガしてたじゃん」
「ん?」
健吾は目を丸くして、何のことだ?という顔になる。
そしてしばらく考え、思い当ったらしい。
「ああ、あれな。アキだ」
「はっ!?」
「俺らが別れた夜、お前のところにアキが来てくれただろ?」
うんうん、とうなずくあたし。
「莉子を頼むって、アキに言ったんだよ。
そしたらあいつ、思いっきり殴りやがった」



