「……そっか……」
健吾のシャツをつかんでいた手から、力が抜けていった。
「そうだよね。今さら……」
終わりって、こんなにあっけないんだ。
あたしがどんなに好きでも
今さらどんなにあがいても。
健吾の気持ちがもう終わっているのなら、それはあたしたちの終わりを意味するんだね。
あたしの手が健吾から離れ、ゆっくりと降りていく。
これでもう本当に、最後。
そう思ったときだった。
力強い腕が、急に背中に回ったかと思うと、そのまま抱きすくめられた。
「強くなんかならなくていい。俺が守ってやるから、そばにいろ」
「……っ」



