「お前、なんであんなことしたんだよ」
「あんな……こと?」
「なんで北高になんか行ったって聞いてんだよ」
健吾は乱暴に髪をかきあげ、いら立ちをあらわにする。
「ごめ……」
「勝手なことしてんじゃねぇ」
胸が切り刻まれたように痛んだ。
予想していた健吾の言葉なのに、泣けてくる。
それと同時に、今まで抑えてきたものが一気に噴き出し、言葉がひとりでにあふれ出た。
「たしかに……勝手なことしたとは自分でも思うけど。
でも自分でも止められなかったんだから、しかたないじゃない!」
「お前が勝手なことしたら、別れた意味がなくなるだろ!」
「……え?」
「お前を危険な目に合わせたくないから、離れたのに……」
健吾は眉間に深いしわを寄せ、うなるように低い声で言った。



