それは、我がもの顔で街を歩く、例の男たち。

派手な服装に、派手な髪、思い出したくもない顔。


そして――


彼らと一緒に歩いている、もうひとりの人物に

あたしは確かに、見覚えがあった。



どういうこと……?

あいつらと一緒に、“あの人”が歩いているなんて……


息をするのも忘れ、あたしはその光景にくぎ付けになる。



その人が着ている茶色のブレザーは、たしか北高の制服……。


――『北高3年って聞いても、とぼけるか?』


あのときの金髪男の声がよみがえった。

そして、そのとたんに顔色を変えた健吾のことも。
 

もしかして……

このことがあったから、健吾はあたしと別れたの? 


「半分、残ってる」っていうのは、このことなの?



彼らの姿が見えなくなっても、あたしはいつまでも窓の外を見つめたまま、言葉をなくしていた。