「ごめん……いきなり泣いて……」
「莉子ちゃん、今どこ?」
あたしはヒクヒクと喉を震わせながら、自分のいる公園の場所を伝えた。
「すぐ行くから!」
いつになく力強い真由ちゃんの声が、携帯から響いた。
“すぐ”というのは嘘じゃなかった。
真由ちゃんの家はかなり遠いはずなのに、彼女は本当にすぐ駆けつけてくれた。
近づいてくるタイヤの音、細く長く伸びたライト。
公園の前に自転車を停めた真由ちゃんが、息を切らし駆け寄ってくる。
「莉子ちゃん、大丈夫だった!?」
「うん……ごめんね」
涙はいったん止まっていたのに、真由ちゃんの優しい顔を見るとまたあふれてきた。
あたしは何度も声を詰まらせながら、真由ちゃんにすべてを打ち明けた。
駐車場であの男たちに襲われたこと。
詳しくはわからないけど、あたしも関係しているらしいこと。
そして、健吾に一方的にフラれてしまったこと。



