そう答えると、先生はにこっと微笑み、気分がよくなるまで寝ていきなさいと言った。
そして
「月島くんはまだ授業中でしょ」
と、困ったような顔で健吾をにらんだ。
「先生、俺も目まいがするんですけど」
「バカなこと言ってないで早く教室に戻りなさい」
「ひでぇなあ。アキがベッド占領してるのは許すくせに」
「橘くんは、いいのよ」
「そういうことだ。早く戻れ、健吾」
アキさんが横から口をはさみ、あたしはつい吹き出してしまった。
さすがアキさん。
常人離れした美貌は、保健の先生ですら味方につけちゃうんだろう。
健吾はぶつぶつ文句を言いながらも、楽しそうだった。
やっぱりアキさんといるときの健吾は、どこか子どもみたい。
「仕方ねぇから戻るか。
……あ、莉子」
「ん?」
「帰り、送ってやるから、あとでメールしろ」



