え?
突然の展開に、目が点になるあたし。
「人聞きの悪いこと言ってんじゃねーよ」
隣から涼しい声が返ってきた。
アキさんはベッドに寝そべり、小説か何かを読んでいた。
目線はその本に向けたままで言う。
「お前らが勝手に、俺の横でイチャついてたんだろーが」
い……イチャついてたって。
決してそんなつもりはないけれど、もしそんな風に聞こえていたのだとしたら、めちゃくちゃ恥ずかしい。
ていうか、なんでアキさんがいること、健吾が知ってるわけ?
と、不思議に思っていると
「ほとんどアキ専用だな、そのベッド」
健吾があきれたように言った。
なるほど、ここがアキさんのお城ということか。
じゃあ健吾は最初から、隣にアキさんがいるのを知っていたってわけだ。
だったら早く言ってくれればいいのに、意地悪なやつ……。



