昨日――

ミツルと別れたあと、教室にカバンを取りに戻ったあたしを待っていたのは、真由ちゃんだった。


「あ、やっと戻ってきた~!」
 
ひとりで教室にいた真由ちゃんは、あたしを見るとぱっと笑顔になって立ちあがった。


「……待っててくれたの?」

「だって莉子ちゃん、カバン置きっぱなしだったし」

「ごめん……」

「全然平気だよぉ、さっきまでクラスの子たちと話してたし。
ていうかさぁ」
 
真由ちゃんはあたしが着ているTシャツに視線を落とした。

「もしかしてこれ、月島先輩に借りたの?」

「えっ。えっと……うん」
 

めずらしく素直に認めてしまったのは、心の底に隠した罪悪感のせいだろうか。
 

真由ちゃんはニヤ~っと顔をほころばせ、腕を組んでくる。


「すごいじゃーん!
何、何? どういう展開だったの?」