コンビニに入ろうとしていたその人に、あたしは駆け寄った。
「ミツル!」
「あーっ。お前、なんで今日サボったんだよ」
ミツルはあたしを見て叫ぶと
「ん? なんでTシャツなんだ?」
と突っ込んでくる。
まさか健吾の家に行っていたなんて言えず、あわてて話題を変えた。
「ミツルこそ、なんでここにいるの?」
「だってこの辺、俺の地元だもん」
「そうなんだ」
そういや健吾と同じ中学だもんなぁ、と納得するあたし。
この辺りは学校がいくつかあるらしく、下校途中と思われる制服姿の高校生や、中学生がちらほら歩いていた。
「あっ!」
いきなり、ミツルが大声をあげた。
「どうしたの?」
と驚くあたしを残し、ミツルはコンビニに入って雑誌コーナーで立ち読みを始めた。
変なやつ。
あたしは首をかしげながら、様子のおかしな彼を店の外から見ていた。



