……あたしは単純だ。
健吾の一言で、すぐに上がったり落ちたりする。
そして
あたしはすっごく欲張りだ。
もっともっと健吾に近づきたくて、しかたないんだ。
結局、雨がやむまで健吾の部屋で雨宿りさせてもらった。
お昼ごはんは台所にあったカップ麺を食べた。
ただの醤油ラーメンだったけど、すごく美味しく感じた。
午後になると、健吾は壁にもたれたまま眠ってしまった。
昨日も夜までバイトをしていたらしいから、きっと疲れているんだろう。
ちょうど雨も上がったし、起こさずに帰ることにした。
『Tシャツ貸してくれてありがとう。洗って返すね』
手帳から紙を一枚やぶって、健吾にメモを残す。
少し迷った末に、もう一言付け足した。
『こんどの学祭、一緒にまわれるといいな』



