「はっ? あたしが、誰に?」
「もういいってば。ごまかさなくても」
苦笑いでそう言い残して、自分の席に戻っていく真由ちゃん。
完全にバレてるのに素直に認められないあたしは、彼女のストレートな性格がうらやましい。
……告白、かぁ。
考えたこともなかったな。
もっと健吾に近づきたい。
健吾のことをたくさん知りたい。
そうは思っても、自分から告白してるところなんか想像つかなくて。
でももしかしたら、真由ちゃんみたいに学祭を狙って告白しようとしてる子もいるのかも。
そしたらきっと、健吾を好きな他の女の子も――。
考えていると急にあせってきた。
やっぱりあたしも真由ちゃんを見習って、勇気を出すべきなんだろうか。
こんどの学園祭で……?



