SP警護と強気な華【完】


事件が解決した後
警察が金庫を調べて見つけ
意識を取り戻したカトレアに渡り始めて目にした時、彼女は独り静かに泣いていた。

ずっと知りたかった遺産の理由を
遺した本人から教えてもらえたのだから―――

「でも、遺書が金庫にあったって…
 俺がお嬢さんに言わなかったら
 ずっと見つからなかったかもしれないんだぞ?
 どうしてわざわざそんな場所に…」

「私、考えてみたんです。
 お金の存在を私は知らなかったけど
 お爺様は柊さんには伝えていた。
 それって、私達が出会うために…
 アナタから伝えてもらうようにしたのかなって…」

『なんて考えすぎですよね』と苦笑するカトレア。

そんな彼女を見つめながら
柊は唇を噛みしめ手紙をグッと握った。

「どうかしました?」

険しい表情をする柊の様子に
心配したカトレア。