それから、授業を受けてお昼休みに菜月と一緒にご飯を食べてイチャイチャして、また授業を二限受けたら、掃除を済ませて放課後だ。

「菜月、行こう」

先にかばんに荷物を詰め終えた僕が声をかけると、菜月は「うん、ちょっと待ってね」と言いながら教科書をかばんに入れる。ちょっと焦っているようなその顔も可愛い。

「お待たせ」

そう言って笑う菜月に、僕は「はい」と手を差し出す。キョトンとした顔で僕を見る菜月に、僕は頬をかきながら言った。

「手、繋いで行こう?部室の前まで」

「……わかった」

菜月の小さな手が僕の手と重なる。その手をしっかりと握って僕らは部室へと向かった。他の人の目線なんて気にしない。

僕と菜月は文芸部に入っている。オリジナルの小説を書いてみんなと見せ合いをするのが楽しい部活だ。でも夢中になりすぎて帰りが遅くなることもある。

帰りが遅くなると、外を歩くのがすごく憂鬱なんだよなぁ。

「こんにちは!」