〔この前のマンガ読んだ?〕
〔また面白いのあったんだ〕
スマホを開いたら
雨登くんからLINEがきてた
〔うん読んだ〕
〔おもしろかった〕
〔主人公がイケメンなのにサイテー〕
〔だよね!〕
雨登くんからすぐに返信がきた
雨登くんは電車の中かな?
〔月が大きいね!〕
〔ホントだ〕
雨登くんも見えるんだ
〔今日のパンケーキみたい〕
〔そーだね〕
〔おいしかった?〕
〔うんフワフワしてておいしかったよ!〕
〔雨登くんの班のクッキーは?〕
〔おいしかったよ〕
〔恋々お菓子好きだから食べさせたかった〕
雨登くん
そんなこと思ってくれてたんだ
少し嬉しくなった
〔食べたかったな〕
〔ホントは持って来た〕
〔玄関で待ってたけど空と帰ったね〕
雨登くん待っててくれたの?
見掛けたけど
女子に囲まれてたから
待っててくれたとは思わなかった
〔ほんとに?〕
〔じゃあ明日もらう!〕
〔雨登くん明日来る?〕
〔うん行くけど〕
〔クッキー他の子にあげたからない〕
なんだ…
別に私のために
持ってきてくれたわけじゃなかった
〔そーなんだ…〕
〔残念!〕
当たり前だよね
〔今度一緒に作る?〕
え…
空くんもそぉ言ったけど…
どんなふうに答えたらいい?
〔ウソ〕
〔本気にした?〕
返信に迷ってたら
先に雨登くんから返信がきた
〔だよね〕
〔冗談だよね〕
なんだ
ウソか…
本気で答えに迷った私
バカみたい
〔空のこと好きなの?〕
急にそうきて
また返信に困った
〔なんで?〕
違うよ
とは言えなかった
〔今日楽しそうにしてたから〕
〔あ~ん♡て〕
やっぱり雨登くん見てたんだ
〔雨登くんだって楽しそうだったじゃん〕
〔いつもモテモテだね〕
〔別にモテなくてもいいけど〕
〔別に私じゃなくてもいんじゃない?〕
ホントに恋をして卒業すればいいのに…
選び放題じゃん
〔なんで?〕
〔やっぱり空が好きなの?〕
また返信に困る
〔空は恋々が好きだと思うよ〕
え…
たしかにさっき
それっぽいことは言われたけど…
〔そんなのなんで雨登くんがわかるの?〕
〔だって〕
〔だってなに?〕
〔あ~ん♡て好きな子にしか言わないと思う〕
〔そーなの?〕
〔うん〕
〔恋々もあ~ん♡て口あけてたし!〕
〔あれはノリだよ!〕
〔カメラ撮ってたから〕
〔そーなんだ〕
あれ?
でも今日の雨登くんは
カメラ撮られてたのに
口開けなかった
〔電車ついたから〕
〔また明日ね〕
〔うん〕
〔バイバイ〕
〔バイバイ〕
空は恋々が好きだと思うよ
好きな子にしか言わないと思う
意識してほしい
もっと見てよ
え…
空くん
ホントに?



