「パンケーキうまかったね!」



「うん」



バス停まで空くんと一緒に歩いた



「今度、オレんちで一緒に
パンケーキ作んない?」



「え?」



「やっぱ無理か…
じゃ、一緒に食べに行こうよ!

なんかさ
カメラ回ってると本気出せない

まぁ、ほとんど雨登ばっか撮られてるけどね
オレなんかカットされてること多いし…

雨登が卒業するまで出番ないな…」



「雨登くんて、すごい人気なんだね
いつも周りに女の子いる」



「うん
本気で雨登を好きな子もいれば
自分アピールのために
雨登の近くにいる子もいるんだろーけどね…」



「そーなんだ…」



「やっぱり、恋々ちゃんも好きなの?」



「え!まさか!」



「だったら、よかった…」



「…ん?」



空くんの耳が赤かった



「オレ…

恋々ちゃんにオレのこと
意識してほしいな…って思ってる

もっと見てよ…オレのことも…
雨登のことばっか見てないで…」



え…



バスが来た



「じゃ、恋々ちゃん、また明日ね!」



「うん、送ってくれてありがとう…」



「バイバイ!恋々ちゃん
気を付けてね」



「うん、空くんバイバイ!」



空くんが笑顔で手を振ってくれたから

私も笑顔で手を振った



雨登のことばっか見てないで…

私ってそんなに雨登くん見てるかな?



もっと見てよ…オレのことも…

空くんを?



意識してほしい

意識?



空くんを?



え…空くん

どんな意味だった?

まさか…



違うよね

絶対



バスの中

ひとりでドキドキした



でも

気になるのは…



さっきすれ違った雨登くんは

女の子たちと何話してたのかな…



やっぱり

雨登くんのことだった



雨登のこと、気になる?

恋々ちゃんも好きなの?



空くんの声がずっと胸に残った