「ミ、ミズキ、転入生と知り合いだったの?」
彼の茶色のブレザーのせいで、嫌でも目立つ私と彼の間を割るように、エリが私に問いかけた。
後ろに控えるマナミとノッチも、同じような表情だ。
トウヤと関わりがあることを知ってしまったら、きっと皆んなの反応が変わる。
、、たぶん、悪い意味で。
普段使うことのない脳をフルスロットルさせて、言葉を組み立てた。
「あぁ、中学の —、、
「さっき!っ、さっき、始業式始まる前に偶然会ったの!道聞かれて、、」
間一髪、彼の言葉を遮り、いつもより大きめの声が自然と出た。
背中の汗がヒヤリと冷たい。
みんなの反応を、息を飲んで待つ。
「そ、そっか。だよね、ビックリした〜」
「転入生がフランクすぎて、ミズキ固まっちゃってるじゃん!」
エリの安堵したような声と、マナミのトウヤへのツッコミ。
「お、おう、ごめん」
若干マナミの気に押され、まだ驚きを隠せないような表情で、そう返すトウヤ。
彼と目を合わせることなく、私は彼との距離を一歩、遠ざける。
「ミズキが挨拶したなら、私たちも自己紹介しないとね」
あまり表情を変えずにいたノッチの提案を機に、エリが「そうだね!」と相槌。
私はトウヤを一切見ずに、事が早く終わるのを刹那に願った。
「私は、佐山エリ!よろしく〜」
「アタシは紺野マナミ」
「矢崎紀香。ノッチて呼んで」
トウヤから見て左から順に、各々自己紹介。
ノッチの紹介が終わり、右隣にいた私。
彼の視線がノッチから私に移り、目が合う。
しかし、すぐに私の方から顔を背けた。
「、、エリ、マナミ、ノッチな。覚えた!
これから、よろしく」
