身代わりでも傍にいたかった


そんな翔に変化が起きたのは大学に入学して暫く経った頃、

夏海が仲良くなった柳井真央を紹介された。

真央は派手な夏海とは違い落ち着いた感じだった。

化粧のしていないその顔は中学生と言っても通じそうだった。

紹介された時に真央に

「颯真君」と言われ

今まで(颯真君)なんて呼ばれた事が無くこそばゆく

「男女問わず友達は颯真と呼び捨てにするから呼び捨てで・・
俺も真央って呼び捨てにするから」

と言ったのは本当にたまたまだった。

あの時、何時も早く登校する翔が15分遅れて来なかったら

呼び捨てには出来なかったと思う。

遅れて輪に入ってきた翔は文字通り真央に一目惚れしたから・・

俺が「真央」と呼ぶのを黙認しているのは

15分早く真央と知り合えたから・・

でも、翔 今度は翔の恋をサポートすると誓った。

案の定、女の子と付き合ったことはあっても自分から告白した事が無い翔。

付き合うと言っても実を伴わない付き合いしかして来なかったから
見ていてまどろっこしく、しかも真央は鈍子だった。

自分が美人で人を引き付ける瞳の破壊力や笑顔の魅力を解っていなかった。
そして最悪なのは二人ともお互いが好き合っている事を気が付いていなかった。

カラカラと空回りしている二人と一緒に夏海と俺はイベントに誘っていた。
そんな翔が告白するのに一年も掛ったのは正直吃驚した。

四人で一緒に居るのが楽しくて何時までも続くと思っていた。