颯真サイド
翔は子供の頃からの親友。
中学まで野球をしていた翔は高校に入学した時は未だ坊主頭に近かった。
俺は翔がイケメンなのは知っていたけれど小学校、中学と女子に人気のあったのは俺だった。
女子は坊主頭に惑わされて翔の整った顔に気が付いていなかっただけ。
中学卒業と同時にスッパリ野球と縁を切った翔は
高校一年の二学期からイケメンと認知されるようになった。
それは髪の毛が伸びたから・・
そんな事情も利口な翔は気が付いているらしく
軽く女子をあしらっているのは流石だと思う。
もしかしたら翔は夏海に未だ恋心を抱いているのかもと思う事があった。
夏海を初めて見た入学式で恋に堕ちた。
本当に堕ちた・・
今まで付き合っていた女の子とは違う感情を彼女に抱いた。
それは悲しい事に親友も同じだった。
何年も一緒に過ごしたから解る・・
だから俺は親友である翔を出し抜いた・・・
今なら俺の方が見栄えが良い・・
それに翔は野球ばかりしていて恋には奥手だ。
俺は翔の気持ちを解っていながらそれでも夏海が好きで告白した。
俺は親友の恋心に気が付かないフリをして
夏海に告白して付き合う事になったと残酷な報告をした。
そんな卑怯な俺に
「おめでとう。良かったな」
と言ってくれた。
翔は夏海に対する恋心を封印したかのように
親友の彼女として接してくれていた。
ただ、高校一年の夏休み以降急にモテ始めた翔は
彼女が切れたことは無かったが半年もてば良い方で・・
「どうして?」と聞いたら
「告白されて付き合って下さいと言われるけど
俺、君を好きか解らないと言っても
付き合ってから好きになって下さいと言われる・・
でも、ショッピングは楽しくないし、
映画も趣味が違うし、テーマパークは混んでいるし、
何時間も待ちたくないし・・
そうするとやる事なんて一つじゃん・・
そうしたら私の事本当に好きですか?とか聞かれても・・」
「お前、少しは彼女に歩みよれよ」
「歩み寄れって言われても・・観たくない映画観て寝たら寝ているって言われるし・・でも、眠くなるし・・」
「はぁ~お前もいつか振り回される彼女が出来るといいな」
恋が続かないのは夏海が好きだからなのか?
と本当は聞きたかった。



