どうしよう・・そう思っていると
「手紙読んだ」
「うん」
「ごめん」
「謝らないで。もう大丈夫だから。」
謝るって事は事実だからなんだよねジワと目頭があつくなる。
同じことで又苦しまないとならないなって私はどんな罪を犯したのだろう・・
「俺、真央が好きだから付き合おうて言ったんだよ。」
「え・・でも」
「高校生の時に夏海が好きだったのは本当。でも、颯真と付き合い始めて・・俺が告白したら俺が隣に居たとか思った事もある。告白しないでモタモタした自分に腹も立った。でも、俺は親友の彼女を何時まで異性として見るような人間じゃない。夏海は颯真の彼女としか思っていなかった。大学に入学して真央を初めて見た時一目惚れした。だから真央に会いたくて颯真と夏海と一緒にいたんだ」
「私に一目惚れ?」
「そう、一目惚れ。真央凄く綺麗で・・でもその事解ってなかったでしょ?周りの男子も化粧で華やかな女子に注目していた。このまま真央の事誰も気が付かなければいいのに・・って思っていたらヤッパリ皆、気が付くんだよ。真央ちゃん可愛いよね、彼氏いるかな?とか言い出してさ~だから俺必死に何時も傍に居たんだよ。夏海と颯真が付き合っているのは何人も知っていたから周りから見たら真央と俺が付き合っているように見えるようにしていた。真央に話しかけようとしている男子とか睨んでいたし」
そうかだから私、全然男子に話しかけられなかったんだ・・
「二年生になる頃にはミスキャンパスにって言う話も出ていたんだよ」
「え~そんなの知らない」
「友達が実行委員会やっていて俺から真央に話してくれって言われて・・それで真央は出たくないって言っていると勝手に断った。」
「え・・それ純粋に興味あったんですけど・・お姫様みたいなドレス着たかった」
「ドレスなら何時か俺が着せてやる」
(なに言っているの?)
「・・・」
「もう、フェイクじゃ限界だと思って付き合おうって言った。断られても冗談だよと言えるように軽く言った。キチンと言えば良かった。ゴメン」
「でも、だったらどうして(花いちもんめ)で夏海が好きって」
「随分前の事だから正確には覚えていないけど、俺基本的には夏海との事を聞かれて(うるさい)(ほっといてくれ)(関係ないだろ)のワードで終わらせている。あいつらに彼女がいるとか言ったら紹介しろとか言って真央に会いたがって握手したりベタベタ触ったり真央を見たりするのスゲ~俺嫌なの。だから否定しないで居た。」
「私、あの会話聴いてショックだった。それで思い返すと藤原君は夏海の事優しく呼ぶし、優しい目で見ていた。それに私達がデートで出掛けた場所って夏海が行きたいと言っていた場所だから本当は夏海と行きたいのに無理して私と行っているんだと思った。・・それに颯真と夏海がラブラブを見せつけた夜にうちに来て私の事抱いていたから・・夏海を想いながら私にぶつけていると思っていた」
「つっ、そんな風に思って真央を抱くわけないだろう!本当は優しく抱こうと思っていたのに真央に触れているうちに歯止めが効かなくて何時もグッタリして寝ている真央を見て次は優しく抱こうって思っていたんだ。・・真央、夏海の代わりに抱かれていると思っていたから終わった後にシャワー浴びていたの?」
「うん・・夏海を想いながら私の身体に触れられていたのが苦しかった。でも、好きだから抱かれたい。でもってその葛藤で苦しんだ。」
「だから一緒のベッドで寝なかったの?」
「それも気が付いていたの?」
「うっすらと・・確信は無かったんだけれど・朝、真央の居た場所が虚しかったから・・説明はつかないけど感覚だから・・花いちもんめの時から?」
「うん。寝言で夏海とか言われるのが怖くて一緒に寝られなくなってソファーで寝ていた。」
「そっか・・疲れ取れなかったね・・気が付いてあげられなくてゴメン」
そこでお料理が運ばれてくる・・
「とりあえず食べよう」
一口ハンバーグを食べた翔は
「うっま~なにこれ?今まで食べていたハンバーグと全然違う。」
「ふふふ、喜んで貰えてよかった本当に美味しいでしょ?ドリアも一口食べてみる?」
と普通に付き合っていた頃のような事を口にしている自分に気が付きハッとし慌てて口を手で押さえた。そんな事気にしていないかのように
「おう、食べる食べる」
と言って普通にフォークですくって口に運び
「お~これも絶品」
と喜んでくれる。
その笑顔が懐かしくて切なくて私の頬を一筋の涙が伝った・・
身を乗り出しその涙を翔が親指で拭ってくれる。
その眼の間にある腕を握りたくてでも、
出来なくて中途半端に私の手が持ち上がって空を彷徨う。
「ありがとう。ゴメン。大丈夫だよ」
精一杯の笑顔を見せる(大丈夫、ちゃんと笑えている筈)
「真央、無理に笑わなくても良いから・・今は、温かいうちに美味しく食べよう」
私達は当たり障りのない会社の話をしたりした。



