身代わりでも傍にいたかった


俺が彼女と出会ったのは大学一年の時。
親友颯真の彼女の夏海に友達になったと紹介されたのが真央だった。

彼女を見た時にドキんと心臓が跳ね上がったのを今でも覚えている。

真っ黒なストレートロングの髪の毛に真っ白い肌。
一寸垂れ目な大きな目に長い睫毛。
グロスを引いただけの唇。
そして笑った時の右頬のえくぼ。

一瞬で虜になった。
君の側にズーと居たいと思った。

俺は高校生の時に夏海が気になっていた。
気になっていたけど何もできないでいた。

そんな俺を尻目に親友の颯真が告ってあっという間にカップルになってしまい
何も出来ない自分が情けなかった。

勇気を出して告っていたら今頃夏海と付き合っていたのは俺だったかもと思ったりしていた。

夏海は高校に入学した時はそこまで目立っていなかったけれど、
女子達がこぞって校則ギリギリで化粧をし始めたらあっという間に可愛くなった。

でもこの子は違う。
グロス以外何もしていないのに美少女だった。

化粧している夏海は華やかだけれど、
この子は華やかさには欠けるがこんなに綺麗な顔に出会ったのは初めてだった。

どうか他の男子に気が付かれませんようにと願った。

彼女が笑うときは鈴のような声を出して笑っていた。
大きな目が全部無くなる位な破顔をして笑うその姿は幼子のようで守りたかった。
そして彼女は誰に対しても思いやりがあった。
人を傷つける事を知らず、純真だった。

颯真,夏海、真央、俺で行動する事が多くなってた2年の時にヘタレの俺は

「俺達も付き合っちゃう?」
と軽くしか告れなかった。

「無理」と言われても
「冗談。冗談」と言えるような予防線を張っていた。

後から思えば「スキです付き合って下さい」
と言っていたらこんなに苦しい思いさせなかったのに・・