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「そっとね」
「あぁ。そーっと」
小さな声で話して、玄関にプレゼントとぬいぐるみを置く。
それを全て置いたら、俺と花莉は素早く撤退。
誰にも見つからずに、無事にプレゼントを置くことができた。
俺たちは何をしていたのかというと、ディナーの時に花莉から聞いたあることを実行してきたところ。
“あること”それは、奏太、壮、誠の部屋の玄関にクリスマスプレゼントをこっそり置くこと。
花莉は、中学生組にサンタからのプレゼントだと思ってほしくてあらかじめプレゼントを用意していたらしい。
こっそりプレゼントを置きに行く、と聞いた俺はその話に乗って。
デートから帰る前に寄ったゲーセンで、中学生組のプレゼントのためにたくさんのぬいぐるみを取った。
それからいつもより丁寧な字で花莉とメッセージカードを書いて、それをプレゼントと置いてきた。
あの3人はまだ中学生なんだから、純粋喜んでほしい、というのが花莉と俺の願い。



