まさか、花莉からサプライズがあるなんて。
すげぇ嬉しい。
プレゼント、俺はここでは渡せねぇけど、花莉は幻滅したりするようなやつじゃねぇよな。
帰ったらちゃんと渡そう。
「改めて、誕生日おめでとう、花莉」
そっと声を出せば、俺に抱きついていた彼女は顔を上げて。
「ありがとう」
また可愛く微笑むから、唇にキスを落とす。
外が寒いせいか、彼女の唇がいつもより冷たい。
頬に手を添えれば、頬も冷えていて。
唇を離して、ぺたぺたと花莉の頬を触って温めた。
「……っ」
恥ずかしそうに花莉は下を向く。
でも、思い出したかのように急にきょろきょろと周りを見て。
ほっと安堵の息をついた。
たぶん、今のキスを周りに見られていないかを確認していたんだろう。
「もう1回、いい?」
花莉に小さな声で聞いてみると、赤い顔をして口をパクパクさせる。
その口を塞ぐようにして再び唇を重ねると、聞こえてきたのは。



