ちらりと花莉を見れば目が合って、さらにぎゅっと強く抱きついてくる。
それから、恥ずかしそうに「えへへ」と笑うから……抱きしめたい衝動を必死におさえこんだ。
「連れてきてくれてありがとう、詩優」
嬉しそうに笑う彼女。
「おう。つーか、喜ぶのはまだ早いからな。この先にでかいクリスマスツリーがあるらしいから」
「クリスマスツリー…!!楽しみだね!!」
「あぁ」
そんなやり取りをしたあと、イルミネーションの写真をこれでもかというくらい撮りながら歩いた。
「詩優!!木がキラキラ!!」
「キラキラだな」
「すごいね!!あっ!見て、あれ!!お花もキラキラ!!」
「おう。キラキラだな」
「キラキラ!!」
「キラキラ」
花莉はイルミネーションを指さして、はしゃいでいる様子。
その姿が可愛すぎて、俺はイルミネーションじゃなくて可愛い花莉ばかりついつい見てしまう。
それに気づいたのか、花莉は俺をじっと見て。
「キラキラはこっちだよ!!」
とイルミネーションを指さす。



