「っ!!」
花莉はイルミネーションに釘付けになって、声を出すのを忘れているみたい。
瞳をキラキラと輝かせて、周りをきょろきょろ見ながらゆっくりと歩く。
公園はやっぱりカップルがたくさん。
男女が密着していて、みんな仲が良さそう。
俺らも仲良い、って思われてるといいな。
そんなことを思った時だ。
「詩優、手、離してもいい?」
花莉がそう言ったのは。
……手、離してもいい?、って聞いたよな?
今、花莉は。
ひょっとして手、繋ぐの嫌だったとか?
いや、でも花莉とデートする時いつも繋いでるし……。
「……やだ」
俺はまだ花莉と手を繋いでいたくてそう返せば、彼女は。
繋いでいない方の手を俺に絡めてきて、ぎゅっと腕に抱きついて密着。
そこで、花莉は何をしたかったのかを理解。
彼女は、HEARTS HOTELのパーティーの時みたく俺の腕にくっつきたかったんだ。
俺と手を繋ぐのが嫌なのかと思って焦ったけど……そうじゃなかったみたいでほっとひと安心。



