一触即発の睨み合っている二人がいるフロアに目を移す。

状況は変わっていて、バン!と大きな爆発音が響いていた。

フロアの二人は互いに距離を取っていて、互いの出方を見ているよう。

神威さんは先程の大剣を構え、黒い翼の彼は黒い羽毛を両手に纏う。



神威さんの全身という全身からは、黄金の帯、ベールが吹き出している。

それは、何度かお目にかかった光景。

…神童が《開印》して、ガーディアンを呼び出す瞬間。



「…白金の雷光、純白の天獅子、司りし創造神の加護を受けし者、立花神威の名において命ずる…!」

「創造神?…梵天、天王の神童?…へぇ」



神威さんを視界に据え、ギラリと目が光る。

ブルゾンを脱いだその瞬間、メキメキと音をたてて、お馴染みの黒い翼がドトンと彼の背中に現れた。

それを見た咲哉さんが横で「ひっ…!」と悲鳴を小さくあげる。

…初めて見ると、なかなかキツイよね。慣れた自分が怖い。

だが、美奈人が「出た出た。ビッグカラス、リグ・ヴェーダ」なんて平然と呟いているのには驚いた。



「出でよ、守護神!【梵天・白帝天王】!」

「吹っ飛ばしてやるよ!…【黒嵐】!」