だが、変化に気が付いたのは速攻だった。



(…耳鳴り?)



突然、キイィーン!と大きな耳鳴りが、両耳に襲いかかる。その耳を反射で塞いでしまうほど。

同時に、足元がグニャリと波打ったような気がして、気持ちふらついてしまった。



いったい、今の何…?



だが、すぐに耳鳴りとふらつきが落ち着く。

辺りを見回すと、先程のスイッチの前で咲哉さんとびわたん片手の美奈人が、液晶画面を覗き込んでいるようだ。



「よしよし!上手くいった!これ作った俺、天才!」

「ああぁぁ…オーナー…」



意気揚々とガッツポーズを見せる美奈人と、力が抜けて崩れ落ちる咲哉さん。

何が起こったのか、二人の背後からそろっと覗き込む。

びわたんが「うー」と声を出した。



スイッチ横の液晶画面には、時間が表示されていた。

ただいま9:48と表示され、数がどんどん減ってる…タイマー?



「それは、アラート結界の制限時間だ」

「アラート?」



不思議そうに見ていたのがわかったのか、疑問に答えたのは美奈人だった。