(…え?)



頭の上から陰が落ちてきたことと、気配に異変を感じて、徐に顔を上げる。

目の前の状況が、予想も出来ない驚くべき方向へと変わっているのに、思わず目を見開かせてしまった。



オーナーの神威さんが手にしているのは、銀色にキラリと光る、バカデカい刃物。

ファンタジーの世界で勇者が振るうような…飾りのある洋風の大剣。

それを、黒い翼の彼の首元に突き付けていたのだ…!



「ここに乗り込んでくるとは、大した度胸だね?…リグ・ヴェーダ?」

「………」



これは、形勢逆転なのか。

神威さんは、先程の洗練された爽やかな雰囲気とは違い、彼をも超える不敵な笑みを浮かべるのだった。