モジモジモジモジ…。

…何となくわかってきたぞ。

こいつ、普段偉そうに振る舞っているけど。

こっち方面の押しに弱いんだ。

慣れていないのか、恥ずかしがり屋なのか、何なのか。



だったら、強引に行こうじゃないか。



「じゃ、もう一回するか?」



悪戯ににやけながら、攻めの一言を投げ掛けると。

ヤツは「えぇっ!」と、驚いて顔を更に赤らめる。



「何でそんなに!…おまえがそんなエロおぼっちゃまだとは思わなかったぞ!この!」

「俺だって、なずながそんなに照れ照れモジモジするとは思わなかったけど」

「あー言えばこー言う!…照れとらん!」



この慌てぶりがたまらない。

ヤツの上に立ったような、この優越感。



すると、突然ガラッと病室のドアが勢いよく開く。

ノックも無しに。

だが、反射で振り返ったそこには…思いがけない知り合いがいた。



「うぇーい!なずぽよ!ケガして入院とかバイオレンスだな?このギャル!ケンカか?ケンカか?」

「なずぽー見舞いきたぜー。スズチカとフジテルも連れてきたでー」

「…あれ?伶士?何でいんの?」