…その続きを言わせる気か?

彼は、人間としても裁かれるべき事項があると、先日風祭さんが言っていた。

なので、警察のお縄に掛かるのが最善…。



「…それとも、僕を殺すかい?音宮のあの二人のように?…父の仇と、僕に復讐するかい?」

「なっ…」



少しだけ、忘れかけていた。



《私達は何も奪われず、あいつを殺る。ただそれだけだから》



なずなは、彼が罪を償うなんて望んでいないのかもしれない。

…いや、どうなんだ?

おじさんが彼の呪いから解放されれば、それでいい……のか?



よく考えたら、これについて俺たちはよく話し合ったことがない。

なずなが、本当のところどう考えているのさえ、わからない…。



言葉を詰まらせ、またしても何も言えないでいると、枝の上での動く気配を感じた。

「おや」と、黒い翼の彼が、枝の上で立ち上がり、遠くを見ているようだ。



「…噂をすれば、来たよ?」



彼が指すその方向に目を向けると、現れたその姿に驚愕し、思わず凍り付いてしまった。

な、何で…!



「…伶士!…伶士っ!」