次なる刺客となるのか、ただの野次馬なのか。



「あーあ。…これで、計画がパァだ。君が【夢殿】の聖域の力を覚醒させちゃったのなら、水晶鬼に体を与えることが出来ないなぁ」



文章的には、超残念みたいな内容だけど。

また、あの不気味な作り笑いを表情に復活させているあたり、全然残念じゃなさそう。

次に何が来るのかと思わせられる。警戒しっぱなしだ。

それを踏まえた上で、一言言わせてもらう。



「…だから、企みはもう無理だと言ったんです。いい加減、やめませんか」



彼が、魔界でも指折りの強さを持つ魔族、フォーエバーな水晶鬼閣下を甦らせ、この人間界に放とうとしているのはもうわかっている。

だが、復活の為の頼みの綱は、俺の手によってもう無くなった。

恐らく、魔界から連れてきたお仲間とやらは、もういないだろう。

そんなジリ貧状態で、何が出来るのか。もう…観念したらいいのではないか。



すると、彼は「偉そうに」と笑い出す。



「…何?それって、大人しくお縄にかかれってこと?それとも…」

「……」