…この白い炎で触れれば、この『核』とやらは、恐らく機能停止するはず。

それは、先程、あの人に瞬時に教えてもらった内容だった。



そして、躊躇いも容赦もなく、白い炎の右手で体内の丸出しとなった『核』へと、更に手を伸ばす。

「ああぁっ!…ああぁぁっ!」

ふと見ると、黒曜鬼の全身は白い炎に飲み込まれて燃やされており、その見た目はまるで白の火柱だ。

だが、燃やされて断末魔のように呻いていても、まだ視覚と意識はあるようで、俺が体内に手を伸ばしているのがわかったよう。



「や、やめ!やめっ!…うわああぁぁっ!」



…制止しようとしても、もう遅い。

これが、俺の決めた道。

大切な人達も、この世界の安寧も、自分自身をも自分のこの手で護ると決めた、その道。




…一歩踏み出して初めて感じた、この熱も全部。

まだ、恐くて仕方ないけど。…でも、大丈夫。後はやるだけだ。

確かに、ここに。俺の中にあるのだから。

護る、その為に。

これは、俺が選んだ道。




コツン、と指先が触れる。

『核』は、本当に宝石…石のようなもので、硬かった。




「…ああああぁぁぁぁっ!」