俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~


愚弄だって。

どうもこの魔族という生き物は、自分を棚に上げてしまうタチらしい。

おまえらは俺たちを愚弄しかしてないし、そんな奴らに俺たちが敬意を払うことが出来ると思うか?

平和的?笑わせないでくれよ。ネタ?

いろんな意味で、お花畑のおめでたい連中だ。



そして。

ビキビキと青筋を立てて、本質の片鱗を見せていた黒髪魔族は、とうとう吠え出すのであった。



「その体を明け渡せ……おまえなど、水晶鬼様に意識を喰われてしまえばいい!」



明らかな怒りと敵意を見せてきた魔族の彼…黒曜鬼の体が揺れている。

だが、それを見ても平然としていられるのは。

これすらも『わかっていた』からだ。



そんなお怒りMAXの彼に、俺は一言告げる。



「その企み…もう、無理だと思うけど」

「…ふざけるな!水晶鬼様は、永遠だ!」



彼が吠えたのをきっかけに、何か見えないものが爆発したような気がした。

内に溜め込んだ怒りを表現しているかのように、その体の至るところの筋肉が激しく拡張収縮を繰り返す。

膨らんだり縮んだり…なんだ?まるで、研究所にて人造人間登場!みたいな。

うわ。