愚弄だって。
どうもこの魔族という生き物は、自分を棚に上げてしまうタチらしい。
おまえらは俺たちを愚弄しかしてないし、そんな奴らに俺たちが敬意を払うことが出来ると思うか?
平和的?笑わせないでくれよ。ネタ?
いろんな意味で、お花畑のおめでたい連中だ。
そして。
ビキビキと青筋を立てて、本質の片鱗を見せていた黒髪魔族は、とうとう吠え出すのであった。
「その体を明け渡せ……おまえなど、水晶鬼様に意識を喰われてしまえばいい!」
明らかな怒りと敵意を見せてきた魔族の彼…黒曜鬼の体が揺れている。
だが、それを見ても平然としていられるのは。
これすらも『わかっていた』からだ。
そんなお怒りMAXの彼に、俺は一言告げる。
「その企み…もう、無理だと思うけど」
「…ふざけるな!水晶鬼様は、永遠だ!」
彼が吠えたのをきっかけに、何か見えないものが爆発したような気がした。
内に溜め込んだ怒りを表現しているかのように、その体の至るところの筋肉が激しく拡張収縮を繰り返す。
膨らんだり縮んだり…なんだ?まるで、研究所にて人造人間登場!みたいな。
うわ。



