★★★







焼けるような熱を帯びた眩い光は、いろいろなものを見せてくれた。

歴史の年表のような、時代の移り変わる映像が再度、目の前を次々と過ぎる。

……恐らく、これは『記憶』なんだ。

この重い命を受けた者の、重ねて代々受け継がれていた記憶。

どう過ごしてきたかの、証。



そして、それだけではない様々な情報が頭の中に入ってくる。

過去のこと、現在のこと…未来のこと。

頭の中を駆け巡るように。



膨大な量の情報が流れを止め、ゆっくりと目を開けたその時。

目の前にいた彼は笑っていた。

青い涙ももう、乾いている。



(…この人は)



今の『記憶』で、この人の正体がわかってしまった。

複雑な思いを抱いて、彼を見つめる。



『準備はいい?……伶士』







目を開けると、日の出が早くなったこの時期はもうすでに明るくて。

寝坊したのではないかと、一瞬ヒヤッとするが、慌てて手にしたスマホの画面を見ると、丁度起きる予定の時間だったので、安堵する。



温もりはまだ、腕の中にあって。

俺の腕を枕にして、未だすやすやと寝ていた。