どっち?と、じめじめ悩んで迷うぐらいなら。

俺は、俺の中のそんな迷いを越える。



二者択一ではない。

誰も選んだことがない答えを選ぶよ。



すると、彼は顔を強張らせるもの、それは一瞬で。

口元をフッと緩めた。



『…生憎、その答えは誰も選んだことがないわけじゃないよ』



そのまつ毛の長い大きな瞳には…涙。

青く光り輝いた涙が、零れ落ちた。



『…本当は、僕もそうするべきだったんだ…』



涙を流しながら笑みを浮かべる彼の手には、白く眩い光が。

その手を差し出されると、光は強弱をつけて神々しく輝き出す。

そして、次第に大きくなり…『白』の世界が、更なる白い輝きに包まれる。

神々しい光に伸ばした自分の手さえ、見えなくなるほど。



(熱っ…)



…俺は、願うよ。『力』が欲しいと。



護る、その為に。