(俺は…)







「……伶士、伶士」

「うっ…うーん…」



体を揺さぶられて気が付き、その目をゆっくりと開ける。

視界に入ってきたのは、フードを被ったままの激ヤセなずなの顔だった。

あれ。俺、寝て…。



…と、そうだった。

ペンチャン動画が終わる前になずなが寝てしまって、俺一人で取り敢えず最後までペンギンの勇姿を見て。

で、良い感じに眠気がきて。もういいや。このまま一緒に寝ちゃおうと、なずなを腕の中にそのまま同じ布団の中で寝てしまったのだ。



目の前のなずなは、俺から離れて起き上がっている。俺の体を揺すっていたのはなずなのようだ。

とはいえ、目が覚めてすぐになずなの顔を見れるとは。しかも起こしてもらって、また幸せなと思ってしまった。



「伶士、もう6時だよ。学校…」

「…あ、今起きる起きる。ちょっと待って…」

「大丈夫か…」



大丈夫だっつーの。男ってのは、生理現象により寝起きはすぐに起きれないもんなんですってば(…)。

まだ夢心地の中でウトウトとして、布団の中でゴロゴロとする。