すると、向こうで休憩終わりのコールがかかる。

立ち上がって集合場所に向かう横で、颯太が呟いた。



「じゃあ、悩みがひとつ解決した伶士には頑張ってもらわなくちゃな?」

「え?何を」

「これから始まるリーグ戦。頼りにしてるよ」



ありきたりの締めセリフに、ガクッとくる。



「…今度は俺の恋愛応援しろよ、じゃないの?」

「それは自分で何とかしますー」



照れを隠すかのように、駆け足で先を行かれた。

あっ!…素直じゃねえな?颯太は。



…だが、集合場所に辿り着くと、瞳真くんに「おまえらがかまってやんねえから、スズチカすげー絡んでくんだけど」と苦情を述べられた。

すみませんね。

そこは我慢して。






…こうして穏やかな日々を送ってはいたが。

この平穏、実は嵐の前の静けさで。



俺たちの運命の歯車は、無情にもまだ回り続けていたのだ。