俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~


『れおながきてくれなかったら、しゃなが《すざく》でかいふくしてくれなかったら、なずなちゃんは死んでいたんだ!…おまえのせいで!』



強すぎる魔族に攫われた俺を助けるために、死ぬ覚悟で危ない術を使って、敵を倒し…自分も丸焦げになり、死にかけた。

この男がいなかったら…なずなは死んでいたとヨーテリは言っていた。

この男が、なずなの命を救ったのか…?



「どうかしまシタか?伶士クン」

「…あっ」



気付いたら、玲於奈がこっちを見つめていた。

玲於奈に視線を茫然と置いたままでいたから、不審に思われただろうか。

…だが、「スミマセン」とか「なんでもないです」とか、避わせばいいものを。



なずながこんな激痩せで死にそうになっているのは、俺のせい。

死にかけたのは、俺のせい。



そのセリフが頭を過ぎると、ストレートに問わずにはいられない。



「あ、あのっ…」

「ハイ」

「な、なずなはっ…死んでいたんですか…」

「……」

「…あなたが来なかったら、なずなは死んでいたんですかっ…」