『れおながきてくれなかったら、しゃなが《すざく》でかいふくしてくれなかったら、なずなちゃんは死んでいたんだ!…おまえのせいで!』
強すぎる魔族に攫われた俺を助けるために、死ぬ覚悟で危ない術を使って、敵を倒し…自分も丸焦げになり、死にかけた。
この男がいなかったら…なずなは死んでいたとヨーテリは言っていた。
この男が、なずなの命を救ったのか…?
「どうかしまシタか?伶士クン」
「…あっ」
気付いたら、玲於奈がこっちを見つめていた。
玲於奈に視線を茫然と置いたままでいたから、不審に思われただろうか。
…だが、「スミマセン」とか「なんでもないです」とか、避わせばいいものを。
なずながこんな激痩せで死にそうになっているのは、俺のせい。
死にかけたのは、俺のせい。
そのセリフが頭を過ぎると、ストレートに問わずにはいられない。
「あ、あのっ…」
「ハイ」
「な、なずなはっ…死んでいたんですか…」
「……」
「…あなたが来なかったら、なずなは死んでいたんですかっ…」



