それは良かった…と、安心するわけないだろが!それは護衛でもなんでもない。ただの不審者だ。
このカタカナの多い、拙い話し方にも多少イラっときている。
「正確には、僕がガーディアンから借りた使い魔が伶士クンの護衛を致しマス。伶士クンの身に危険が迫れば、すぐ僕にもわかるシステムです。伶士クンの生活の邪魔にはなりませんので、安心して下サイ」
「は、はぁ…」
何やらよくわからないが、俺の邪魔にはならないということなんだな?それは大いに結構だけど。
警戒たっぷりではいるが、「それではよろしくお願いシマス」と再び頭を下げるので、俺もつられて「お、お願いします」と頭を下げてしまった。
ヤツのペースに巻き込まれている感あり。
そして、話の区切りがついたところで、もさ男は「では、社長」と、親父の方に向き直る。
「なずなサンの様子を見に行ってもよろしいですカ」
「お、頼む」
その要請を受けて、今度は親父が俺に話を振った。
「伶士、玲於奈をなずなの部屋に案内してやってくれ。前と同じ部屋だから」
はぁっ?!俺が?…何でだよ!



