申し訳ないけど、話についていけない俺は、しばらくその場で頭の中を整理した。



えーと…忠晴は、俺だけでなく、実はなずなも一緒に迎えに来た。

親父の命令で、なずなはうちで面倒見ることになった。



…はっ!



だとしたら、この場に登場してからの俺への糾弾は、何だったんだ?



「………」



疑惑を込めた目で忠晴をじっと見つめる。

忠晴は、何も無かったかのように笑みを浮かべているが、心の中でほくそ笑んでいると思うと、少々イラッとした。



「…忠晴、俺のこと、からかったの?連れ戻しに来たんじゃないの?」



忠晴は、ふふふと笑う。



「からかってはおりませんよ?こうして連れ戻しに来たじゃないですか?…伶士さまは帰らないっていうから?」

「いや、確かに、帰らないとは言った……けど!最初からこういう手筈なら教えてくれても…」

「ふふふ。さっきの伶士さま、若き頃の旦那様にそっくりでしたよ?でも、微妙な発言は今後お控え下さい。貴方は橘の跡取りなのですよ?コンビニに買い出しに行くという発想って何なんですか。跡取りがパシリ根性丸出しとは」

「………」