俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~



そして、席に着いてしばらく待つと出てくる出てくる前菜たち。



『………』



なずなの顔に「肉は?」と書いてある。

やはり…。



『随分と焦らしてくるのね…』

『もう出て来るから、もう少し待て。レンズ豆でも食ってろ』

『ふぬぬ…』



何だその苦悶の表情は。トイレに行きたそうな…。

肉の前にレンズ豆を味わう余裕もないのか!

少しでいいから、大人になれ!




しかし、そんな眉間にシワを寄せた難しい顔も、ほかほかの肉がようやく目の前に出てくりゃ、つるんと緩んでしまう。



『ふぉおおぉぉ…!ついに、ついに出てきましたよ…!』

『………』



肉から立ち上る湯気を顔に浴びて、ヤツは匂いを堪能しているようだ。

やれやれ。



『今日、この日のために拷問罰ゲームのような入院生活を潜り抜けてきたのだ、私は…!そして今、ようやくそれが報われようとしている』

『………』



いったいこれは、何の時間だ。

なずな、肉を食べる前説の時間?レベルアップしてんな。



『で、それでどうした』

『…えぇい!御託はいいわ!』

『………』



御託並べてんの、おまえだろがよ。