…わっ!誰!
俺の顔をジッと覗き込んでいるのは、青い瞳の少女だった。先程の金髪の主だ。
誰だ?と、何となくボーッと目を合わせていると、至近距離で何故かジュリジュリ…と、鳥の鳴き声が聞こえた。
それもそのはず。金髪の少女の肩には…小さな小鳥が枝に留まるかのように、ちょこんと乗っている。
白いもふもふの小さな小鳥…え?シマエナガ?
何でシマエナガが肩に?
「…というか、沙那ちゃん!何をしてるんデスかぁぁっ!助けて…助けて下サイよぉぉっ!」
またしても男の金切り声が聞こえると、彼女は俺からふと顔を離す。
「だってこいつフ××ンなんだもん。玲於奈以外のなんて、見たくないしー」
「フ××ンは、後で僕が服を着せマスから!…お願いしますから早く助けて下サイよぉぉっ!」
「えー。私達の結婚式、ゴンドラ乗せてくれる?」
「ゴンドラは人力ですか?!…何でもしますから!早く!…お願いしますってぇぇぇっ!」
「おっけー。…豆大福、GO」
すると、肩に乗っていたシマエナガが、ジュリジュリと鳴いて、小さな翼をバサッとはためかせる。
長い尾を靡かせて、飛んで行ってしまった。