魔族、おまえらのいったい、どこが偉い。
人を傷付けられる魔力、強靭な肉体、長い寿命を持つことの何がそんなに偉い?
「妾は、妾は死ぬ訳にいかぬ…!全ての者が諦めてしまったら、誰が水晶鬼様を護るのだあぁぁ!」
ちっ…殺戮重ねてる割には、いっぱしのことを言うんだな?人のモノを簡単に奪っておいて。
おまえらに、私らの何を奪う権利がある?
「…だから、妾は諦めぬ!諦めぬぞぉぉ!」
「諦めが悪いのは褒めてやるよ?」
「おのれぇぇっ!例え、この命が燃えて朽ち果てようとも…!人間め…人間めぇぇっ!」
やれやれ。死ぬかもしれないと悟って恐怖を感じているのに、何をそんなに威張っているんだ?
本当に褒められたもんだよ。
(…もう、いっちょ)
自分の中の霊力を集中して整え、今一度全身に力を入れて放出する。
すると、私らを包む黒炎の勢いは更に増していた。
まるで暴れ狂うように。
「あああぁぁぁっ!」
顔から足の爪の先まで、私の腕の中で火だるま状態となっている花魁女郎蜘蛛。
焼き尽くされ続けていると、肌が爛れて溶け始めて。
徐々に、本当の姿を現してきた。



