「ち、ちょっ…!」



なずなの胸ぐらを引っ張って、目ん玉ひんむいてメンチをきっているみっちょの様子を見てられなくて、仲裁しなくてはと手が上がる。

だが、隣の川村に「まあまあ」と制止された。



「って、大丈夫なのかよ!」

「ダイジョブだー」



ハラハラとしながら様子を見守る。

だが、「顔貸せや!決闘だ!」と、胸ぐらを掴まれたまま、なずなはずるずると引っ張られ、何処かに連れて行かれてしまった。

け、決闘?!何だそりゃ!

俺を巡る決闘?…やめて!



何処かへ行ってしまう二人の後を追うことを考えたが、川村に「いい、いい。行くな行くな」と、これもまた制止される。



「な、何でだよ!」

「いつものことだ。気にすんな」

「いつものこと?」

「おー。戯れあってるだけと思っとくれ」



戯れあってる?…だって、決闘って言ってたぞ?!

みっちょ、般若みてえな顔してたぞ?ありゃご立腹だぞ?!



だが、俺の不安とは裏腹に川村は「げへへへ」と爆笑していた。

笑ってる場合なのか?



「みっちょはな?気にしてんのよ」

「え?」