「ばかもん!全っ然違うぞ!…あぁ、うまーだった。肉汁も食感も。うまーすぎていきがりステーキ行けなくなったらどうするか…はあぁぁ…しかも二枚食ったぞ?二枚」

「おまえ、よう胸焼けしなかったな」

ドヤ顔のまま、首を横に振ってため息をつくなずな。

何だ。そこを自慢したかったのか?高級肉を食った自慢?



今も、廊下という人の目につくところで、ジロジロ見られながら、俺たちは話をしているが。

ふとなずなが顔を上げてその視線に気付く。



「あ?何見てんの?」



そう口にすると、周りはビクッと体を震わせ一気に逃げるように視線を逸らした。

みんな、ビビってる…。さすがギャル。



「何だなんだ。みんな、私の肉うまー話聞きたかったのか?」

「ちゃうわ。ぼけ」



ヤツには、冷やかし好奇の視線は通用しないようです。

ただでもギャルというだけで、冷やかし好奇の視線を浴びてるからな。

助かるっちゃ助かるけど。



二人のボケツッコミを眺めていたが。

気が付くと、傍には何故か殺気を振り撒いて、俺たちの前に登場したギャルがもう一人。




「…なずぽおおぉぉ!…コラアアァァ!」



みっちょだ。